進路選択「失敗したくない」で選ぶのは危険かも!?
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進路についてのお話をするとき、
「失敗したくない」
「よく分からないから安定した道を選びたい」
というような声をよく耳にします。
おそらく、多くの高校生の皆さんにとっては今までで一番大きな選択である進路選択を前にして、そう思うことは自然なことなのかもしれません。
ですが「失敗しないように」という基準を前提にして選んでしまうと、
結局何を選んでいいかよくわからなくなってしまったり、恐怖から視野が狭くなってしまって、自分にとって大事な何かを見落としてしまうかもしれません。
今回は、「進路選択を失敗したくない」と思ったとき、自分らしくどのように進路に向き合っていったらいいかのヒントになるような視点をお伝えしたいと思います。
■ 「正解」や「失敗」って、誰にとってのもの?
まずはじめに考えたいのは、そもそも進路に「誰にとってもこれが正解」というものはあるか、ということです。
例えば、安定と言われている医療に関わる道。
ある人にとっては小さなころからの夢が叶う最高の選択かもしれません。
でも、命に直結するプレッシャーに強いストレスを感じる人にとっては、毎日がつらく感じられるかもしれません。
例えば、地元の大学に入って公務員になるという道。
家族や友達と近くにいられるし仕事がなくなるリスクが低く安心という人もいれば、もっと広い世界に出てチャレンジしたいと思う人もいるかもしれません。
誰かにとっての正解が、あなたにとっての正解とは限らない。
それが進路というものだと思います。
さらに今は、変化がとても速い時代です。
わかりやすい例だとやはりAIですね。登場してからあっという間に浸透し、瞬く間に進化を遂げています。
その流れで「頭を使う仕事=ホワイトカラー」と「体を使う仕事=ブルーカラー」に対する見方も変わりつつあります。資料をまとめたり、データを分析したりといったデスクワークの一部はAIが得意とする一方、現場で手を動かす職人仕事や、人と直接関わるケアの仕事は、簡単には代替できないと言われており、既に仕事のやり方が変化しつつあります。
この勢いだと、今あなたが就きたいと思っている職業が、将来全くの別物になる可能性だってあります。
だとしたら「今の社会の基準」だけを頼りに「失敗しない道」を探そうとすることは、少し無理があると言っていいかもしれません。
■ 「失敗しないか」より「やってみたいか」を大切に
ここでもう一つ大事な視点は、その進路に進んだ先でその道の勉強や仕事をするのはあなた自身だということです。
私たちはついつい「失敗したくない」と考えるとき、
社会的に信用があるかとか、社会情勢に影響されにくいかとか、
外的な要因ばかりに目が向きがちです。
でも、実際に手を動かして多くの時間その道の勉強や仕事に費やすのはあなた自身です。ある程度あなたに「やってみたい」という気持ちがないと、せっかくその進路に進めたとしても、ひたすら我慢の日々が続くことになります。
実際に、キャリア相談を受けるなかで、「安定しているから」「誰かに勧められて」という理由でその仕事を選択して「自分がやりたいか」を置き去りにした結果、疲弊してキャリアチェンジをすることになった方を何人も見てきています。
やってみないと分からないことや自分の考えが変わることはあるので、キャリアチェンジ自体は悪いことではないのですが、今の段階で「興味がわかない」「正直やりたくない」ということであれば、その進路はおすすめできません。
そこで私がまず大切にしてほしいのは、「失敗しないか」ではなく「なんとなく気になる」「やってみたい気がする」という、自分の中にある小さな感覚です。
少し怖くても、正解かどうかわからなくても、
「なんかいいな」「なんか気になる」という感覚は、
あなたの内側から来ている大切なシグナルです。
「なんかいいな」「なんか気になる」という進路が見つかったあとは、
イメージや周囲の口コミだけで決めてしまわずに、色々調べて確認して、イメージと実情とのギャップを埋めていきましょう。
・進んだ先では、どんな授業があるのか(カリキュラムを見てみる)
・卒業後はどんな仕事に就く人が多いのか(就職実績を調べてみる)
・実際にその学校や学科に通っている人からはどんな声が多いのか(オープンキャンパスや先輩の話などを聞いてみる)
こうやって、「自分で興味を持って調べて納得して選んだ道」は、ただ「安定している」から選んだという道と比べてその先に様々なチャレンジが待ち構えていたとしても、がんばって乗り越えられることが多いのではないでしょうか。
■ 「安定」は変わらないことじゃないかもしれない
変化の激しい時代で、どんな変化があっても変わらなそうな「安定」を選んで安心したいという気持ちは、決して悪いことではありません。
でも、ここまでお話ししてきたように、今の時代に「ずっと変わらない安定」を探し続けることは、少し無理があるのかもしれません。
むしろ、社会情勢や会社の方針など様々な変化の中を生きている社会人の方と接していて、これからの「安定」とは、変化しないことではなく、変化の中で自分なりのバランスを取り続けられることではないかと思います。
どんな道を選んでも、きっと状況は変わります。
大事なのは、変化の中でも「自分はどうしたいか」という軸に立ち返り、そのうえで納得して前に進むことではないでしょうか。
そしてその軸は、「気になる」「やってみたい」と感じた小さな思いを拾い上げて行動し続ける、その日々の積み重ねの中で、少しずつ育っていくものだと思います。
☆ 小さな一歩が未来を変える。今、前に進むための質問
「失敗しないか」という不安をいったん横に置いてみたとき、あなたはどんなことに興味がありますか?
(どうしても出てこない人は「これはやりたくない」ということを先に挙げて消去法で探しても大丈夫です。)
それを紙に書き出して、上に出てきた例も参考にしながら調べてみましょう。
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- プロフィール : 中村 文香(なかむら あやか)
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U-Discovery代表。国家資格キャリアコンサルタント。高校生からミドル世代まで、キャリアの転換期における意思決定や、周囲と協力しキャリアを築いていくためのサポートを行なっている。高校の進路選択では、人の心に関わる分野に興味がありながらも、就職で潰しがきくと、工学部を選択。北海道大学総合科学院総合化学専攻修了後、電子機器メーカーにて研究開発に従事。三十歳を目前に、今後のキャリアで本気で取り組みたいことを考えた結果、学生時代から関心のあったキャリア支援の道への転向を決意。同企業の人事部を経て独立。理系出身の分析力と大幅なキャリアチェンジの経験を活かした視点や、楽しみながらキャリアに取り組めるワークが好評。
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